a tempo 〜 もとの速さで写真を愉しむ

233写真部・かなもとたいせいさんが参加しているモノクロ写真のグループ展「a tempo」の最終日、会場の写真専門ギャラリー・Roonee 247 Photographyにおじゃましてきました。

a tempo は、「もとの速さで演奏する」という意味の音楽用語。デジタルカメラで撮った直後に画面で「映像」が見られる時代に、フィルムで撮影し、暗室で現像、印画紙に焼きつけていくという時間も手間もかかるプロセスを経て浮かびあがってくる「写真」の楽しみを展示を通じて伝えるという意味が込められているそうです。

4人の写真家が展示していた作品は、すべて本人が暗室に入って自らの手でプリントしたもの。階調ゆたかなモノクロプリントを見ていると、ゆらゆら揺れる印画紙に徐々にあらわれてくる濃淡を、記憶の形につくり上げていく作家の姿が浮かんでくるようでした。

かなもとさんの作品は、中判カメラで撮影したもの。長年、水平線をテーマにモノクロ撮影を続けているかなもとさんらしい視点で撮られた写真を、丁寧に仕上げられた美しいプリントで展示されていました。写真に添えられたステートメントがまた秀逸で、アナログ写真を思考の成立や生命の発現に喩えた文章は、医療者でもあるかなもとさんならではのものでした。

「a tempo」は今後も継続して展示していくとのこと。2回め、3回めの開催が楽しみです。